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水について

水の含有割合のあらわし方

水を含む湿潤成分をここでは水分ということにします。一般的に水分のあらわしかたには二通りあります。
湿量基準と乾量基準です。
湿量基準を水分、乾量基準を含水率と区別する表記もあります。
本来はともに単位をもたない値ですが、百分率であらわし[%]とするのが一般的です。

湿量基準

全体質量の中の水の質量をあらわしたものです。日常生活において水分というときにはこちらです。
     ( 水の質量 ÷ ( 水の質量 + 無水質量 ) ) × 100
ウェットベースとも呼ばれ、単位表記は[%,W.B.]です。最大値は100です。

乾量基準

無水質量に対する水の質量を百分率であらわしたものです。
    ( 水の質量 ÷ 無水質量 ) × 100
ドライベースとも呼ばれ、単位表記は[%,D.B.]です。最大値は100を大きく超えます。

相互変換

二つの値の相互変換は次の通りです。
乾量基準値 = ( 湿量基準値 ÷ ( 100 - 湿量基準値 ) ) × 100
湿量基準値 = ( 乾量基準値 ÷ ( 100 + 乾量基準値 ) ) × 100
一例として、50[%,W.B.] は、 100[%,D.B.] となります。

使い分け

この二つはどのような使い分けをするのでしょうか。 上記のことを理解されていれば、何れのあらわし方をしても問題ありません。ただし必ず単位を明示しなければなりません(W.BまたはD.B.を書くことです)。
しかし湿量基準には問題があります。分母と分子の両方に水の質量があることです。すなわち乾燥の推移に伴って変化する値が分母に使われているのです。
例えば95[%,W.B.]から90[%,W.B.] へ推移した場合と、10[%,W.B.]から5[%,W.B.] へ推移した場合に、何れも5[%]の差なのですが、質量比であらわすと大きな違いとなってしまいます。
したがって推移についての表現は乾量基準値の方が、実際の質量の減少値に近いということになります。

水の状態

ここでは湿潤成分を水と限定いたします。水は水素と酸素との化合物です。分子量は約18、大きさは約3.3オングストロームです。ただし一般の液体として存在する水は、単体および共有結合したクラスター(集合体)とで構成されており状態は絶えず変化しています。
物質中の水の状態は、自由水と結合水に分けられます。

自由水

自由水は、いわゆる通常の水のことであり、他の物質の分子と結合していない状態でいます。付着水ともいいます。
他の物質との結合がありませんので、相変化するのに特別な条件は不要です。

結合水

結合水は自由水以外の水のことであり、物質の分子と水分子が結合している状態をいいます。水和水や吸着水(帯電による)があります。水和水という表現は非常に幅広く、その中には結晶中に水として存在する結晶水とよばれる状態もあります。
最も安定した状態が水和物という物質の場合、その水を除去するためには通常以上の温度などのポテンシャルが必要になります。一般に100℃以上まで加熱する必要があり、さらに結晶水によっては500℃以上の加熱を要することもあります。
したがって状態が不明な物質の場合には熱重量分析計を使用し測定をしなければなりません。ただし分析計自体が加熱を伴うので物質によっては結果に作用する蓋然性があります。

水分活性:Aw

食品中の水と食品との結合状態を示す指標となる物性値です。
主に食品を対象として考えた場合に、乾燥の目的の重要なことに保存性を良好にするということがあります。
腐食やカビは水分の多寡によって発生するのではなく、水として活用することの可能な量の多寡によって発生します。例えば漬物類は水分が多いのに悪く変成しないのは、漬物の中の水と塩(シオ)などが結びついていてカビや菌類の原因となる微生物が、水として使用できる量が少ないためです(上記項目の結合状態、水素結合や水和ももちろん含まれます)。
つまり水分活性を小さくするためには、乾燥させるか、あるいは塩(シオ)や砂糖などの水と結合する物質を添加することになります。
数値としてのあらわし方は、密閉容器内の食品の蒸気圧と、その温度における水の蒸気圧の比であり、単位はありません(つまり水の水分活性は1.0です)。
目安として、0.7>Awであれば、普通のカビや菌類の生育・繁殖は不可能といわれています。