主として伝導伝熱による熱の授受をおこなう方式の乾燥機です。
基本的に熱媒と乾燥物とは接触せずジャケット構造となります。
機内を減圧する真空乾燥機も含まれます。
コニカルブレンダドライヤ
ダブルコニカル型の容器に乾燥物を入れ、容器を回転させ乾燥と撹拌を同時におこなうため、乾燥物と伝熱面との接触状態が常に更新されムラの少ない仕上りとなります。
容器はジャケット式になっており、温度などの条件により熱媒を選定します。
一般的に機内は減圧条件でおこないます。ただし通気条件でおこなうことも可能です。
内部に撹拌軸を持たないため撹拌作用は撹拌乾燥機に較べ大きくありませんが、構造が簡単であり排出時に機内残留が少なく、清掃性は良好です。
標準としてコニカル頂角は90度ですが、乾燥物の特性などにより適宜決定されます。
ドラムドライヤ
円筒形のドラムの表面に乾燥物を付着させ、ドラム内部に熱媒として水蒸気や温水を供給し、表面膜状にドラムと接触させながら乾燥をおこないます。
基本的にドラムが一周する間に乾燥が終了し、平板ナイフでスクレープされます。したがって乾燥時間は短時間です。
液体や泥漿状の乾燥物に適しています。また乾燥物の性状が大きく作用する乾燥機です。
減圧条件でおこなうこともあります。
ドライヤ以外の使用方法として液体から固体へ相変化させることを目的とした、ドラム内部に融点以下の温度の水や冷媒を供給するものをドラムフレーカといいます。
ジャケットロータリドライヤ機
円筒形ケーシングにジャケットを設け、場合によりケーシングの内側に熱媒用のパイプを設置する乾燥機です。
ロータリクラッシャドライヤと同様に、内部にはかき上げ用のフライトがあり、上昇=>落下を繰り返しながら伝導により受熱されます。
熱風式と違い排気・捕集装置が不要なため、全体で見た場合に設置面積が小さくなります。
乾燥時間は機内のホールドアップと供給量との関係で決定されます。
真空棚式乾燥機
箱型のケーシング(多くは角型、高真空の場合は丸型が一般的)の中に、熱媒による熱伝導をおこなうための棚(熱盤)があり、その上に仕込容器を載せ乾燥をおこないます。
熱風式の箱型乾燥機では、乾燥することができない物性のものや、乾燥物の価値を下げてしまうことを防ぐ必要のある乾燥物が対象となります。
したがってメインの伝熱は伝導であり、補助的な伝熱として輻射を利用します。条件によりケーシングにジャケットが設けられます。
真空振動乾燥機
振動により粉粒体を流動化させて、ジャケット構造による伝熱面との接触で乾燥をおこないます。
内部には攪拌羽根などの装置がありませんので、以下の特長があります。
・摺動面がないため、コンタミが発生しません。
・洗浄しやすい構造で、乾燥物排出も簡単です。
撹拌乾燥機
ケーシングと撹拌軸から構成される乾燥機です。
ケーシングはジャケット式であり、併せて撹拌軸にも熱媒による熱伝導をおこないます。
回転するのは撹拌軸であり、ケーシングは固定式です。
乾燥物の性状により撹拌軸の形状を選定します。
条件により常圧か減圧かを選定します。